今回は、OpenAIが提供するクラウド型ソフトウェア開発エージェント「Codex」について紹介します。実際にUnityプロジェクトで使えるのか?どんなことができるのか?導入は難しいのか?といった点を自分の体験ベースでまとめてみました。
Codexとは?
Codexは、OpenAIが開発した「ソフトウェア開発エージェント」です。クラウド上で動作し、GitHubのリポジトリを読み込んで、機能追加、バグ修正、テストの実行、さらにはプルリクエストの作成までを自律的に行ってくれるツールです。
AIとの対話形式でタスクを入力すれば、あとはCodexがリポジトリを分析し、該当するコードの修正案を提示してくれます。これまでのように「ChatGPTにコードを貼り付けて質問する」といったやり方とは大きく異なり、開発そのものをAIと一緒に進めていくような体験ができます。
Unityプロジェクトで使えるのか?
結論から言えば、「使えます」。
UnityプロジェクトをGitHubでバージョン管理していることが前提になりますが、それさえクリアしていれば、CodexはUnityのスクリプトも問題なく扱えます。自分も最初は半信半疑でしたが、試してみたところ驚くほどスムーズに対応してくれました。
実際にCodexで何ができるのか?
プロジェクト全体のコードを把握できる

リポジトリを読み込んだCodexは、プロジェクトに含まれるC#スクリプトをすべて分析し、構造や依存関係も把握してくれます。これにより、「このスクリプトを修正したいけど他に影響は?」といった不安も軽減されます。
ChatGPTのようにコードをいちいち貼り付ける必要はなく、自然言語でタスクを入力すれば、全体の文脈を理解したうえで最適なコードを提示してくれます。
機能追加・バグ修正・コード補完ができる
下記はエディタ拡張であったら便利なものを聞いたら、機能の提案をしてくれてタスクとしてそれぞれ実行できますよ。というところまでやってくれたものだ。

この「タスクを表示する」というものを押すとタスクを実行してくれてコードを生成してくれる。
たとえば「エディタ拡張でボタンを追加して、シーン内の特定のオブジェクトをリスト表示してほしい」と依頼すれば、その機能を提案してコードも自動生成してくれます。
生成されたコードはGitHub上で差分として表示されるので、何が変わったのかが一目でわかります。さらにそのままプルリクエストとして提出することも可能です。
GitHub連携によるプルリクエストも可能

自分はGitHubにあまり詳しくなかったのですが、Codexではワンクリックでプルリクエストが作成できます。差分を確認したら、そのままGitHub上でマージ可能。
言い換えれば、「変更したいファイルの部分だけをAIが修正 → プルリク → マージ → Unity側でPullすれば反映」というサイクルが驚くほど簡単に回せるのです。
導入方法(ざっくり)
以下が自分が試した導入ステップです。UnityプロジェクトでCodexを使いたい人は、これを参考にしてみてください。
- GitHubアカウントの作成
まだ持っていない人はGitHubで無料アカウントを作成します。 - Gitの導入
Git公式サイトからインストールしてください。 - GUIクライアントの導入
初心者にはGitHub DesktopやSourceTreeなどのGUIクライアントの使用をおすすめします。 - UnityプロジェクトをGitで管理
.gitignore
の設定を行い、Assets/Libraryなど不要なファイルを除外してリポジトリを作成します。 - GitHubにリポジトリをアップロード
プロジェクトフォルダをGitHubにPushします。 - Codexを開いて「環境を作成する」
Codexのダッシュボードから「Create Environment」を選び、GitHubとの連携を行います。 - チャット形式でタスクを入力
「この機能を追加して」など、自然言語で指示を出せばCodexがコードを提案・実装してくれます。
まとめ
Codexは、単なるコード補完AIではありません。プロジェクト全体を理解し、タスク単位で修正・追加を提案し、GitHubと連携して自動的に反映できるという点で、次世代の開発体験を提供してくれる存在です。
Unity開発においても十分に活用可能で、特に一人で開発を行っている方や、エディタ拡張・ツール開発に興味がある方には大きな助けになるでしょう。
今後さらに機能が充実していくことが予想されるCodex。気になった方は、ぜひ一度試してみてください。